
海に面した山北地区。川の手前に岩崎集落、奥に府屋集落が広がる=村上市(本社小型無人機から)
震度6強を観測した新潟・山形地震から6月18日で5年となった。海に面した村上市山北地区の府屋、岩崎の両集落では当時、津波注意報を受け、多くの住民が損壊した住宅の間を縫って高台に避難した。60年前の新潟地震と2024年の元日に起きた能登半島地震でも避難を経験している両集落。住民は教訓を生かした津波への備えを模索している。
(村上支局長・土田潤)
◆低い土地通る避難より、高台の自宅に残る判断
新潟・山形地震で、村上市内で最も被害が大きかったのが山北地区の府屋集落だ。住宅3棟が大規模半壊し、避難所近くののり面が崩落するなどした。
府屋浜町の町内会長を務める大滝愼一さん(73)は津波注意報が出る中、自宅にとどまった。家は高台にあるからだ。
市が...
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