ろうそくに照らされながら、幻想的な雰囲気で披露された「ろうそく能」=佐渡市泉
ろうそくに照らされながら、幻想的な雰囲気で披露された「ろうそく能」=佐渡市泉

 ろうそくの明かりが舞台を演出する「ろうそく能」が、新潟県佐渡市泉の正法寺本堂で行われた。約190人の観客が島内外から訪れ、幽玄の世界を堪能した。

 1434年、晩年に佐渡に配流された能の大成者、世阿弥は、正法寺に滞在したと伝えられている。ろうそく能は、その足跡と能文化を伝えようと、市民グループ「佐渡の能を識(し)る会」などが主催し、6月28日に開かれた。

 演じられた能「半蔀(はじとみ)」は、源氏物語で描かれる光源氏と夕顔の恋模様を基にした物語。舞台にはユウガオのつるが絡んだ蔀戸(しとみど)のセットが置かれ、蔀戸を開けて現れた夕顔の霊が優雅に舞った。

 観世流能楽師で、重要無形文化財総合指定保持者...

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