玉井力三展の会場の様子。父の作品を眺める龍さん(左)=7月5日、上越市の小林古径記念美術館
玉井力三展の会場の様子。父の作品を眺める龍さん(左)=7月5日、上越市の小林古径記念美術館

 新潟県上越市柿崎区出身で、子ども向け雑誌の表紙絵を約20年にわたり手がけた画家、玉井力三さん(1908〜82年)の企画展が、上越市本城町の小林古径記念美術館で開かれている。表紙絵の原画約50点を含め、風景画や資料など約120点を展示。昭和世代なら見覚えのある「あの絵」が並び、童心に返って楽しめそうだ。

 旧柿崎村に生まれた玉井さんは幼い時から絵を描くことが好きで、18歳のころ洋画家中村彝(つね)の作品に感銘を受け、画家を志望した。1928年に「太平洋画会研究所」に入所し、明治から昭和にかけて活躍した洋画家、中村不折(ふせつ)に油絵を学んだ。

 戦後は洋画家として美術団体「示現会」に所属。写実的な...

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