町並みを生かした地域の活性化策などについて話し合ったシンポジウム=7月6日、佐渡市小木町
町並みを生かした地域の活性化策などについて話し合ったシンポジウム=7月6日、佐渡市小木町

 国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定される見込みの新潟県佐渡市小木町の町並み小木町では10年ほど前から国の重伝建選定を目指した活動が始まり、2018年に「おぎ町並み保存推進委員会」が発足した。23年末に佐渡市が保存範囲と保存活用計画を決定。24年度内の選定を目指し国に申し出を行った。文化審議会は5月、小木町を新たな重伝建に選定するよう文部科学相に答申。範囲は町中心部の本町通り周辺の約13・3ヘクタール。今後、官報告示を経て正式決定される。について、保存と活用を考えるシンポジウムが7月6日、あゆす会館(小木町)で開かれた。約70人が参加し、講演やディスカッションを通じて将来の地域や佐渡市の姿を考えた。

 シンポではまず調査を担当した奈良文化財研究所の福嶋啓人さんが概要を報告。小木町の伝統的民家には接客空間の「オモテニカイ」、上部が吹き抜けの「オイエ」、2階が通り側に張り出すなどの特徴があると指摘。地形や町割りに地震による隆起、大火など歴史的変遷の痕跡や海運業で繁栄した港町の特色をよく残しているとした。

 続いて京都工芸繊維大の清水重敦教授が講演し...

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