ワクチン3回目接種を受けるため、集団接種会場を訪れる市民=2月、新潟市中央区の旧市役所分館

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が進む中、新潟市の60代男性から「接種後に貼られたシールにある有効期限を見ると期限切れになっていた」との声が新潟日報社の「もっとあなたに特別報道班」(もあ特)に届いた。ワクチンは一定の条件と手続きをクリアすれば期限が延長されている。男性は接種を受けた医療機関へ確認して有効期限の延長を知ったが、「私のほかにも不安に思った人がいるのではないか」と憤る。(報道部・黒島亮)

 男性は市内の開業医で接種を受けた。帰宅後、接種済み証に貼られたシールを見たところ、最終有効年月日が接種を受けた日の5日前となっていることに気付いた。不安に思い接種を受けた開業医に尋ね、有効期限の延長を知った。

 ワクチンは国内で接種が始まった当初、米モデルナ製、米ファイザー製とも有効期限は6カ月だった。その後、いずれも保管温度を所定の範囲に保つことなどを条件に、各社などが必要な手続きを経て期限を延長。モデルナ製は2021年7月に7カ月、11月には9カ月、ファイザー製は同年9月に9カ月にそれぞれ延びた=表参照=。

 厚生労働省は都道府県や市町村に、期限延長前の日付が書かれたワクチンも延長後の期限まで使えると周知。同時に「不安を与えないよう適切に情報提供を」と求め、ホームページにも「Q&A」を掲載した。しかし、住民への具体的な周知の方法は示さず、自治体に委ねた形だ。

 新潟市は市医師会を通じて、チラシを医療機関へ届け、周知を図った。接種済み証のシールに新たな期限を記入するといった対応を取った医療機関もあるが、一部にとどまる。

 市の明間研コロナワクチン接種推進担当課長は「接種を受ける人が不安にならないよう、医療機関と協力して有効期限についての正しい情報を伝えられるよう努めたい」と話す。ただ、印字の日付と実際の期限の違いはワクチンのロットごとに異なるため、「一律に広報するのは難しい」という。

 市の3回目接種率は3月29日時点で18歳以上の対象者の48・1%。65歳以上では79・3%となっている。

 声を寄せた男性は自治体や医療機関に対して「接種の際に『有効期限は延長されている』と伝えてもらえれば不安な思いをしなかった。説明を現場任せにせずきちんと周知してほしい」と話した。