
ことし防災士資格を取得した大竹葵さん=新発田市五十公野
新潟県の新発田市立東小学校4年の大竹葵さん(10)が2024年度、地域防災の担い手となる防災士の資格試験に挑戦し、見事合格した。NPO法人日本防災士機構(東京)によると、8月末現在、新潟県内の防災士としては最年少。挑戦のきっかけは今年1月の能登半島地震だった。防災意識が高じ、一念発起した葵さん。「できることからやっていきたい」と意気込んでいる。
防災士は日本防災士機構が認証する民間資格。平常時には防災の啓発活動を担い、災害時には避難誘導や被災地支援に当たるといった役割が期待される。県内では8月末で6496人が登録されている。
葵さんは能登半島地震が発生した元日夕方、自宅でいとこと遊んでいた時に大きな揺れに見舞われた。棚から物が落ちて壊れ、家族のスマートフォンからはけたたましい警報音が鳴り響いた。テレビをつけると「津波」「逃げて」の文字。不安に駆られ、両親に「逃げよう」と泣いて訴えた。
自宅は海から約10キロ離れており、ハザードマップ上でも津波の浸水区域外。母の孔三(よしみ)さん(45)は「逃げない私たちのことが理解できない様子だった」と振り返る。

もっと災害のことを知らなきゃ-。...
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