
新潟駅に到着する上越新幹線
9月7日午前、埼玉県のJR埼京線の駅で人身事故が発生し、線路が隣接する上越新幹線などが一時運転を見合わせた。JR東日本の発表によると、上越新幹線の遅れは「最大68分」。翌日の朝刊に記事が掲載されたが、新潟市中央区の60代公務員男性から「正確に書くようにお願いします」と指摘を受けた。聞けば男性は7日午後、長岡駅で98分遅れの新幹線に乗車したという。報道発表と、実際の遅れとの乖離(かいり)はなぜ生じたのか。新潟日報社の「もっとあなたに特別報道班」(もあ特)で調べてみた。(報道部・清水祐子)
まずはJRの報道発表を確認してみよう。発表によると、上越新幹線が東京-新潟で運転を見合わせたのは午前10時35分ごろで、約1時間20分後の11時50分に運転を再開。上り4本、下り2本の計6本で最大68分の遅れが発生し、影響人員は約2600人だったとした。
男性は9月7日、私用で長岡に出かけ、新潟市の自宅に新幹線で帰宅しようと午後2時ごろ長岡駅に着いた。午前中の運転見合わせを知らなかったため、電光掲示板を見て驚いた。乗車を予定していた新幹線より1本前の、1時台の電車がまだ到着していなかったという。
男性によると、定刻1時22分長岡発新潟行きがホームを出発したのは3時で、98分遅れだった。「冷房の効いた待合室は満杯。ホームで長いこと待った」と男性。「発表内容と違うのはふに落ちない」と首をひねる。
JR東日本新幹線統括本部によると、...
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