
記録的な高温少雨となっている今夏。気象の影響なのか、読者から「セミの合唱を聞かなくなった」との声が新潟日報に寄せられた。夏を象徴し、市街地でも「ジリジリジリ」とにぎやかなアブラゼミの鳴き声を、そう言えばあまり聞かない気がする。何か異変が起きているのだろうか。専門家に聞いて探った。(報道部・袖山小百合)
8月初め、新潟市中央区の鳥屋野潟公園。虫取り網を持った親子が汗を拭いながら昆虫を探していた。
お目当てはセミ。けれども「30分くらい探したけど全然見つからない」と、市内の小学4年の男の子(9)は肩を落とした。父親(41)も「自分が小さい頃は手の届く距離にいたと思うが」と首をかしげた。
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セミは減っているのだろうか。昆虫研究家らでつくる「昆虫はかせネットワーク」(長岡市)代表の鈴木誠治さん(54)は、定量的な調査はしていないとした上で「体感では少なくなっていると感じる」と話す。
考えられる理由は...
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