BSNラジオなどでおなじみ、ラジオパーソナリティ・立石勇生さんのコラム「タテのくさび~立石勇生のアルビリポート」をお届けします。スポーツパーソナリティでもある立石さんが、アルビレックス新潟の選手たちの魅力や素顔、秘話などを紹介します。
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「今年はタイトルを獲りにいく」。松橋力蔵監督が新体制発表会見で宣言してから10カ月。リーグ戦での苦戦が続くなかでのルヴァンカップ準決勝第1戦は川崎相手に4-1。まだ折り返しでしかないものの国立競技場での決勝進出が近づく大きな勝利となりました。印象的だったのは松橋力蔵監督の試合前後の言葉です。

直近のリーグ戦では同じ相手に1-5の大敗を喫し「その借りを返そう」と選手をピッチに送り出し、試合後には「さらに2点差をつけたときにようやくリベンジ達成できる。第2戦でもう一度チャレンジしていこう」を締めくくったといいます。読書家でもある松橋監督のボキャブラリー豊かな談話にはいつも感心させられますが、今回は直球の言葉。これが選手達にも響いたようで、試合後に複数の選手に話を聞いたときには「リキさんの言う通りまだ僕たちは借りを返せていない」と口を揃えていました。

この試合で活躍した選手の1人である東洋大学4年生の稲村隼翔選手は、所属する大学サッカー部での活動のあと直前に合流してこの試合に臨みました。アルビはリーグ戦での大敗続きだったため、SNSのメッセージで...
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