横田めぐみさんとの再会を願い、同級生らが合唱したコンサート=10月5日、新潟市中央区
横田めぐみさんとの再会を願い、同級生らが合唱したコンサート=10月5日、新潟市中央区

 新潟市で北朝鮮に拉致北朝鮮が日本に暮らす人々を無理やり連れ去る「拉致」を行い、いまだに多くの被害者が帰国を果たせていない問題。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮の当時の指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人を拉致した事実を初めて認める。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人が02年10月に帰国した。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=が60歳の還暦を迎えた10月5日、めぐみさんとの再会を誓うチャリティーコンサートが、新潟市中央区の県民会館で開かれた。小中学校の同級生らが演奏や合唱を披露し、一刻も早い帰国を願った。

 めぐみさんは寄居中1年だった1977年11月15日、帰宅途中に拉致された。コンサートは新潟小と寄居中の同級生らが2010年に始め、14回目。約300人が訪れ、満席となった。

 めぐみさんの母の早紀江さん(88)は電話を通じ、「めぐみと手を取り合える日が来ると信じている」と切実な思いを語った。登壇した弟の哲也さん(56)は「拉致問題は被害者家族だけでは解決できない。皆さんの力を貸してほしい」と訴えた。

横田めぐみさんとの再会を誓うチャリティーコンサート。同級生らによる合唱

 佐渡市の拉致被害者の曽我ひとみさん1978年8月12日、母のミヨシさん=失踪当時(46)=とともに北朝鮮に拉致された。2002年、ひとみさんは拉致されてから24年ぶりに帰国を果たしたが、ミヨシさんは日本に戻れないままでいる。ミヨシさんとの再会、帰国を願うひとみさんは署名活動や、佐渡市内の小中学校などで拉致問題を知ってもらうための講演を続けている。(65)や同級生によるパネルディスカッションも行われた。曽我さんは北朝鮮で指導員に隠れてめぐみさんと小声で「もみじ」を歌ったことを振り返り「(帰国したら)今度は一緒にカラオケで大きな声で歌いたい」と話した。...

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