営業を停止したままの自動車販売店の前に立つ八幡雅史さん。敷地には地震の爪痕が鋭く残る=新潟市西区大野
営業を停止したままの自動車販売店の前に立つ八幡雅史さん。敷地には地震の爪痕が鋭く残る=新潟市西区大野

 2024年1月の能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。で甚大な被害を受けた新潟市西区。一部地域には9カ月が過ぎた今も避難指示が出されたままで、店舗営業を再開できなかったり、避難生活を続けざるを得なかったりする人々がいる。石破茂首相は「防災庁」の設置を掲げ、衆院選で各党は防災・減災の在り方を訴えるが、避難指示エリアの住民からは「まずは足元で起きていることを見つめてほしい」と切実な声が聞かれる。

 JR越後線が走る高台の裾野に位置する西区大野の一部地域。新潟市は能登地震後の1月3日、今後の余震や降雨で高台の傾斜地が崩れる恐れがあるとして、大野や寺尾の一部など19軒に避難指示を発令した。

 指示が長期化しているのは、現在に至るまで傾斜地の安全性が確認できていないためだ。市は8月下旬以降、地盤の変化を確認するための...

残り867文字(全文:1211文字)