第55回全国建具展示会で内閣総理大臣賞に選ばれた作品=東京都台東区
第55回全国建具展示会で内閣総理大臣賞に選ばれた作品=東京都台東区

 各地の建具業者が技術を競う「全国建具展示会」で新潟県加茂市の職人、渡辺文彦さん(49)が製作した組子(くみこ)細工の引き戸が、最高賞の内閣総理大臣賞に輝いた。同賞を受けるのは2003年以来2度目。約8万個に上る小さな木片を組み上げ、雪を頂く長野県の黒姫山と野尻湖を絵画のように表現した緻密かつ壮大な作品だ。

 展示会は全国建具組合連合会が主催。55回目の今年は10月中旬に東京・浅草で開催され、四つの部門に計101点が集まった。

 渡辺さんは渡辺建具店(加茂市下条)の2代目で、高校卒業と同時に家業に入った。組子の技術は教本を読んだり、展示会の出品作を参考にしたりと「見よう見まねの我流」で習得した。2...

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