ポルトガル語に訳した良寛の歌集を出版した山端マルタさん=出雲崎町米田の良寛記念館
ポルトガル語に訳した良寛の歌集を出版した山端マルタさん=出雲崎町米田の良寛記念館

 ポルトガル出身で、静岡県函南(かんなみ)町に住む山端マルタさん(50)が、良寛1757(宝暦7)年、出雲崎の名主の長男として生まれる。18歳で出家、岡山県の円通寺で修行。帰郷後、国上山山ろくの五合庵や乙子庵に住み、純真な人間性を愛し、虚偽を退けた。学問・芸術は高く評価され、和歌は1300首近く残されている。1831(天保2)年1月、74歳で死去。禅僧、詩人、歌人、書家。の歌を母国語に訳した歌集「Tal como es(ありのまま)」を出版した。これまでポルトガル語の本格的な良寛歌集はなく、山端さんが好きな良寛の歌を年代や季節の順に収録。1冊を読み通すことで、良寛の一生が伝わるような内容になっている。山端さんは「飾らず、ありのままに生きた良寛を母国の人たちにも知ってもらいたい」と話している。

 山端さんは、リスボン大で人類学を学んだ後、日本好きの父親の影響で2000年に東京大に留学した。03年に一橋大の大学院に移り、08年まで宮沢賢治の童話について研究を進めてきた。以前から親交のあった長源寺(静岡県函南町)の山端本道住職と09年に結婚し、寺や翻訳の仕事を行っている。

 父親が禅を学んでいたこともあり、マルタさんはポルトガルに住んでいた頃から良寛のことを知っていた。結婚後に...

残り853文字(全文:1248文字)