
新潟県の妙高市と糸魚川市にまたがる火打山(2462メートル)に生息する国の特別天然記念物で絶滅危惧種のライチョウを守るため、妙高市が行っているクラウドファンディング(CF)が寄付額を伸ばしている。2023年に登山者向けのアプリでのPRを始めたところ、例年150万円前後だった寄付額が246万円に増加。24年はCFを始める時期を1カ月早めて、さらなる増額を目指している。
火打山を中心とする頸城山塊の山頂付近に生息するライチョウは20〜30羽と推定され、国内最小の集団。温暖化などによる環境の変化で絶滅の恐れがあるとして、市は2018年からふるさと納税制度によるCFを実施し、集まった寄付金をライチョウの餌となる高山植物の保護やライチョウを捕食する動物の調査、センサーカメラによる個体数調査の費用などに充てている。
ライチョウ保護のCFは自治体の課題解決に向けたプロジェクトを対象にしたサイトを活用していた。しかし、他の自治体が行っている「動物の殺処分ゼロ」「多様な学びの場の提供」などの多くの中から選んでもらうため、差別化が課題だった。
市は23年から登山アプリ「YAMAP(ヤマップ)」と連携しているサイトに変更。ヤマップは環境保全に特化した活動のみが表示される仕組みのため、登山の環境整備や自然に関心のある人の目に留まるようになった。

CFは19年から23年までは11月上旬から12月末まで募集。寄付額は21年が145万2千円、22年は169万4千円だったのが、23年は前年比約46%増の246万8千円と大幅に増えた。
24年はさらに多くの協力を得ようと開始時期を10月上旬に前倒し、3カ月間受け付けている。10日午後5時時点で177万円が集まっており、7割ほどがアプリから流入している。当初目標額140万円には到達したが、現在は200万円を目指し、さらなる寄付を...