屋根雪の重さを計測する研究のため新潟工科大に建設中の実験棟=柏崎市藤橋
屋根雪の重さを計測する研究のため新潟工科大に建設中の実験棟=柏崎市藤橋

 屋根の雪下ろしの適切なタイミングをつかみ、雪下ろし中の事故や、雪による住宅の倒壊を防ごうと、新潟工科大学(新潟県柏崎市藤橋)の富永禎秀(よしひで)教授(56)(建築工学)は、防災科学技術研究所「雪氷防災研究センター」(長岡市)と共同で、屋根に積もる雪の重さを測る研究に取り組んでいる。それぞれの施設に設けた実験棟で、今冬から計測を始める。

 新潟工科大に12月完成予定の実験棟は、高さ2・5メートル、幅が3・6メートルで、一般的な住宅の3分の1ほどの大きさだ。建物の基礎部分と柱の間に、直径8センチほどの荷重計を8個設置し、屋根に積もった雪の重さをリアルタイムで計測していく。

 富永教授によると、これまで屋根雪の重さは、積雪の高さや密度から推定していた。雪の重量を直接測る実験は珍しいという。

 実験棟には、建物の振動を測定するセンサーも取り付け、屋根雪がある場合とない場合で振動数を比べる。

建物の基礎部分と柱の間に設置した荷重計を説明する新潟工科大の富永禎秀教授

 雪氷防災研究センターの敷地内にも11月中旬、同規模の実験棟を設置した。気象状況が異なる長岡市と柏崎市の2地域で比較していく。屋根上の除雪の適切なタイミングをつかむため、少なくとも2029年冬までデータを取るという。

 県危機対策課によると、県内では23年度に雪下ろしなどの除雪作業で36人がけがをした。22年度は...

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