
お正月がやってきた。新年会や家族だんらんで飲酒の機会が増える時期だ。こたつでゆっくり楽しむ人も多いだろう。12月初めには、日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたばかり。酒蔵が多くある新潟県の地酒を、改めて味わってはいかがだろうか。長岡市、柏崎市の酒蔵から、魅力的な一杯を紹介する。
◆柏露酒造 超辛口か超甘口か…伝統と革新の純米酒
創業270年を超える長岡市十日町の柏露酒造が、「挑戦」を掲げて2024年秋に発売した二つの純米酒は「超辛口」と「超甘口」という対照的な味わいを打ち出した。ファンに新たな楽しみ方を提案するとともに、裾野の拡大も目指している。

「柏露超辛口純米酒」は、甘口・辛口の目安となる日本酒度で、柏露酒造として初めて「プラス15」を実現した。長期間の発酵に適した酵母を選び、連日分析と温度管理を徹底することで醸し出す。
すっきりとしたキレの良さに、米の豊かなうまみを味わえる。熱かんや冷酒に加え、ソーダ割りでも楽しめ、幅広い料理に合うのが特徴だ。
「超甘口」の「HAKURO SWEET」は、2種類の酵母を用いて甘さと爽やかな酸味を生み出した。日本酒度は「マイナス60」。発酵過程において、味のバランスの見極めが重要だという。生産部醸造課の小川和季マネージャー(41)は「フレッシュさが大事なお酒。おいしいものを届けるため、ボトリングも含めて社内一体で取り組んでいる」と話す。

2銘柄とも、30代前後が中心となった。生産本部蔵長の白原光明さん(67)は「伝統を守りながら、若い人が新しい考えで造った酒を味わってみてほしい」と話した。
柏露超辛口純米酒(アルコール分15度)は720ミリリットル1361円。「HAKURO SWEET」(アルコール分8度)は720ミリリットル1595円。柏露酒造オンラインストアなどで取り扱う。問い合わせはお客様相談室、0258(22)2234。
◆吉乃川 シャンパン感覚の軽やかリキュール
長岡市摂田屋4の吉乃川が製造する「ゆず酒」は、...