お正月がやってきた。新年会や家族だんらんで飲酒の機会が増える時期だ。こたつでゆっくり楽しむ人も多いだろう。12月初めには、日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。酒蔵が多くある新潟県の地酒を、改めて味わってはいかがだろうか。長岡市、柏崎市の酒蔵から、魅力的な一杯を紹介する。

◆石塚酒造 ひしゃくですくってゴクリ…乙なかめ入り酒

 「姫の井」が代表的な銘柄の石塚酒造(柏崎市高柳町岡野町)は、もち米を使った珍しい「もち米四段仕込み」の製法を貫く。もち米を使用することでコクとうまみが強くなり、味にふくらみが出るという。

 杜氏(とうじ)の金澤要介さん(40)がラインアップの中から、年末年始の一家だんらんの席にとお勧めしてくれたのは2種類だ。

 一つは「秋上がりかめぐち酒」(1・8リットル、4950円)。その名の通り、昔懐かしいかめに入っており、付属のひしゃくですくって飲むのが乙な一品だ。

石塚酒造の「秋上がりかめぐち酒」=2024年12月18日、柏崎総局

 2月にしぼった無ろ過生原酒を半年以上、低温庫で寝かせて熟成させるといい、金澤さんは「甘みやとろみを感じる独特の風味が人気。『かめに入っていないとだめなんだ』という人も多くいる。ごちそうと一緒に、ひしゃくでつぎ合いながら楽しく飲んでほしい」と話す。

 例年、2月上旬ごろに発売される「初しぼりかめぐち酒」は、新酒ならではのよりフレッシュな香りが楽しめる。

石塚酒造の「秋上がりかめぐち酒」と「門出にかんぱい」(左)

 もう一つの酒が、精米歩合45%の純米大吟醸酒「門出にかんぱい」(720ミリリットル、3630円)。高柳地区の名産品である「門出(かどいで)和紙」で包装し、商品名にもその名を冠した。

 上品な甘みとメロンを思わせる華やかな香りをたたえているといい、金澤さんは「新年初の乾杯を楽しむお酒として、ぜひ味わってもらいたい」と語る。

 かめぐち酒や「門出にかんぱい」は、石塚酒造の公式オンラインショップなどから購入できる。問い合わせは石塚酒造、0257(41)2004。

◆原酒造 幾多の苦難乗り越えた酒蔵…団らんにオススメなのは?

 原酒造(柏崎市新橋)は1814(文化11)年の創業以来、...

残り934文字(全文:1826文字)