「働く姿を見せてお世話になった人に恩返ししたい」と話す佐藤一幸さん=胎内市
「働く姿を見せてお世話になった人に恩返ししたい」と話す佐藤一幸さん=胎内市

 2025年が幕を開けた。2024年に新たな挑戦をスタートさせ、25年はさらなる飛躍を目指す人を紹介する。

 口でマウスやタッチペンを操りながらパソコンに向かう。15年ほど前、自転車事故で頸髄を損傷した新潟県胎内市の佐藤一幸さん(47)は2024年、阿賀野市の精密部品・金型加工の会社への就職が決まった。「正確に、できれば早くこなせるようになりたい」。事故以来、久方ぶりの就労に充実感をにじませながら先を見据える。

 佐藤さんが頸髄を損傷したのは大工だった31歳の時。首から下が動かなくなった。自律神経にも影響し、急に起き上がると血圧が低下し意識を失うこともあり、「仕事を考える状況ではなかった」と振り返...

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