
青い天井と控えめな照明が落ち着いた雰囲気を醸し出しているカフェテリア志賀=見附市今町2
2025年は、1926年の昭和元年から数えて「昭和100年」に当たる。昭和の風景や空間が、令和のいま、「昭和レトロ」な空間として注目されている。
映画で見る1970年代のドライブインのようだ。新潟県見附市今町2の飲食店「カフェテリア志賀」は、渋い外観が独特の雰囲気を放っている。個性的なインテリアや店主の人情あふれる人柄など、温かい空間が客を迎える。
72(昭和47)年、先代が旧国道沿いにドライブインとしてオープンした。店名は当初、複数の料理をカウンターに並べて客が皿に取るカフェテリア方式だったことに由来する。現在は店主の志賀幸子さんと、息子の悠さん(46)が切り盛りする。
店内は広々としており、喫茶風のテーブル席と座布団を敷いた畳の小上がりに分かれている。昭和の和洋がどちらも感じられる空間に驚いた。黒く低めのソファは重厚感があり、懐かしくも新鮮にも感じる。数年前には映画のロケ地として使われた。
「寒くない?」とストーブを向けてくれる幸子さんの心遣いにほっとして、メニューを開く。色画用紙に手書きでオリジナル感が満載だが、出てきた料理はシンプルで、食べ物なのに「凜(りん)としている」と感じた。一番人気のカツカレーをはじめ、オムライスや中華そばといった和食、洋食、中華などの50種類以上がそろう。地元客のリクエストで増えていったという。


料理を...
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