目﨑さんがハンドルを握る670号車。木張りの床からは腐食を防ぐ油の匂いがする=長岡市千秋2
目﨑さんがハンドルを握る670号車。木張りの床からは腐食を防ぐ油の匂いがする=長岡市千秋2

 2025年は、1926年の昭和元年から数えて「昭和100年」に当たる。昭和の風景や空間が、令和のいま、「昭和レトロ」な空間として注目されている。

 油の染み込んだ木張りの床、古びた降車ボタン…。レトロ感あふれるバスは越後交通(新潟県長岡市)の「670号車」だ。製造は1987(昭和62)年で、全国でも残り少ない貴重な車体だが、今も現役。貸し切りやイベント時の送迎などで今も乗客を乗せて道路を走っている。

 越後交通が新車で導入し、主に長岡市内発着の路線バスとして活躍した。計器には78万5千キロの走行距離が刻まれている。窓は上下に開閉でき、床が高く見晴らしは抜群。今では少ない荷物用の網棚も健在だ。

 導...

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