寺泊港周辺に放置されたボートと、撤去を求めて県が設置した看板=長岡市寺泊田ノ尻
寺泊港周辺に放置されたボートと、撤去を求めて県が設置した看板=長岡市寺泊田ノ尻

 新潟県長岡市寺泊地域の海岸で、ボートの放置問題が続いている。寺泊港では2022年に強風で飛ばされた船が家屋を傷つける事故が起きたため、県が23年末から約300万円をかけて69隻を撤去した。しかし、別の場所にも放置されているという情報が寄せられている。所有者が分からない船が多く、県は看板を立てて持ち主に撤去を求めている。

 現在ボートが放置されているのは、寺泊田ノ尻の伊勢崎市臨海学校付近の海岸。24年10月に、付近の住民から県長岡地域振興局に情報が寄せられた。27隻が放置されており、現在も使われている痕跡のある船もあれば、草に覆われ、砂に埋まりつつある船もあった。

 放置箇所は海岸保全区域でもあり、県は撤去を求める看板を設置したが、12月までになくなったのは1隻のみだった。船の登録番号が読み取れる場合は所有者に連絡し、撤去を求める予定だ。強風で飛ばされないよう、土のうを乗せるなどの対策も講じている。

 北に約1・2キロの寺泊港中央埠頭(ふとう)付近では22年、放置ボートが強風で国道に飛ばされたり、民家の車庫を一部破損したりする事故が発生。県は撤去の呼びかけをし、約100隻のうち一部は所有者が応じて持ち帰ったとみられるが、放置は続き、23年12月に簡易代執行に踏み切って69隻を撤去した。人件費を含めた廃棄処分費用の約300万円は、県の持ち出しとなった。

 振興局地域整備部...

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