トキエアの欠航が表示された掲示板=1月24日、新潟市東区の新潟空港
トキエアの欠航が表示された掲示板=1月24日、新潟市東区の新潟空港

 新潟空港を拠点とする航空会社トキエア(新潟市東区)が1月31日、就航1年を迎えた。地域活性化へ大きな期待を背負う地域航空は、一方でさまざまな課題を抱える。年末年始には機体トラブルで欠航が相次ぎ、安定運航の確保は最優先事項だ。佐渡就航では投入予定だった新型機の開発が中止され、計画の修正を余儀なくされている。試練の2年目へ向け、視界は晴れるのか。(報道部・清水祐子、樋口耕勇)=2回続きの1=

 新潟空港の案内掲示板には、また「欠航」の表示が出ていた。

 1月24日、トキエアは使用する2機のうち1機が故障したとして、午前の新潟-札幌(丘珠(おかだま))線など計4便を運休した。単身赴任先の札幌市へ向かう新潟市秋葉区の会社員男性(47)は「飛ぶだろうかと心配していた。帰れないと仕事に穴をあけてしまう。正直利用するのが怖い」と、運航した午後の便に乗り込んだ。

 トキエアでは2024年12月に1機が故障し、年をまたいでダイヤが乱れた。24日の欠航は通常の2機体制に戻ってわずか3日後のことだった。

 トキエアのように少ない機体で運航する小規模な航空会社にとって、機体トラブルによる欠航リスクは共通の課題だ。天草エアライン(AMX・熊本県)は1日当たり3路線の10便を1機で運航する。川﨑茂雄営業部長は「確実に飛ぶことが最大のサービス。飛ばないと二度と使われない」と言い切る。欠航を減らすため、修理に使う交換部品の在庫確保を強化している。

 トキエアも今回の長期故障後、悪天候でも整備ができる格納庫を確保し、故障しやすい箇所の交換部品を備蓄しておくとの改善策を打ち出した。

新潟空港を飛び立つトキエアの機体=1月30日

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 トキエアが使用する機体は...

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