里村明衣子選手の新潟県ラストマッチとなる大会のポスター
里村明衣子選手の新潟県ラストマッチとなる大会のポスター

 4月に現役を退く新潟市西区出身の女子プロレスラー、里村明衣子(めいこ)選手(45)=センダイガールズプロレスリング(仙女)代表=の新潟県ラストマッチが3月23日、佐渡市の相川体育館で行われる。相川地区のプロレス好き有志「AWGP」が佐渡大会を熱望し、実現にこぎ着けた。AWGPにとって、里村選手は熱いファイトを見せ続けてくれた特別なプロレスラー。そして、病と闘う仲間に勇気をくれた「恩人」だ。

 「引退前に一つだけ、心残りがあります」。2024年12月、新潟県ラストマッチになるはずだった長岡大会の試合後、里村選手がマイクを握った。「それは佐渡島大会。正真正銘、最後の新潟のリングに立ちます」。大きな拍手が巻き起こった。

 主催するAWGPは2010年から毎年9月に相川で大会を主催。13年から女子プロの試合も組み、里村選手ら仙女勢が参戦し続けている。AWGP代表の北村龍(りゅう)さん(51)は「大会を開く限り、仙女さんに必ずオファーすると決めている」と力を込める。

 2013年の大会前、AWGPの仲間が窮地に陥った。陶芸家で、無名異焼の窯元「北沢窯」の其田(そのた)弘輔さん(37)。一度は克服したがんが再発し、新潟市の病院に長期入院を余儀なくされた。

 抗がん剤治療が始まり、心が折れかけた時、病室に現れたのが里村さん。大会前の...

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