放ったアサギマダラが3000キロ以上移動したことを喜び合う清水正良さん(右)と瀧澤宏樹さん=小千谷市の清水さん宅
放ったアサギマダラが3000キロ以上移動したことを喜び合う清水正良さん(右)と瀧澤宏樹さん=小千谷市の清水さん宅

 渡り鳥のように長距離を飛ぶチョウ「アサギマダラ」の追跡調査をしている新潟県小千谷市の2人が福島県内でマーキングした1匹が、直線距離で3016キロ移動し、2024年12月、中国・香港で再捕獲された。愛好家団体「アサギマダラの会」(大阪市)によると、国内で観測された中では最も長い飛行距離となった。2人は「まだ信じられない。うれしい限りだ」と喜んでいる。

 2人は共に会社員の清水正良さん(79)と瀧澤宏樹さん(40)。チョウの追跡調査は、愛好家や研究者が捕獲した時に日付や場所などを羽に記載する。別の場所で再捕獲された際に、移動距離が分かる仕組みだ。

 清水さんは十数年前に追跡調査を始め、福島県や長野県などで4300匹以上にマーキングをしてきた。瀧澤さんは清水さんの誘いで、5年ほど前から手伝うようになった。これまでに2人が捕獲して放ったのは、最も遠くに飛んだチョウでも沖縄県までだった。

2024年12月に香港で再捕獲されたアサギマダラ(瀧澤さん提供)

 アサギマダラは、青く透き通る羽を持つ10センチほどのチョウで、日本全土、中国、朝鮮半島などに分布する。春から夏にかけて北上し、高原などで過ごし、秋に南下する。海を渡って1000キロ以上移動する個体もあるが、詳しい生態は...

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