展示棚に飾った打刃物を見つめる川野正さん。「頼まれれば何でも作った」という製品は多種多様だ=長岡市与板町与板
展示棚に飾った打刃物を見つめる川野正さん。「頼まれれば何でも作った」という製品は多種多様だ=長岡市与板町与板

 新潟県長岡市与板地域に伝わる打刃物を展示している「与板刃物工芸館」(与板町与板)が、28日に閉館する。2002年、鍛冶職人の兄弟が伝統産業の発信基地にしようと、地元商店街の一角に設け、毎週日曜に開いてきた。今月はこれまでの感謝を込め、毎日開館している。閉館まで残りわずかとなったが、運営してきた男性は、与板が誇る打刃物を多くの人に見てほしいと願っている。

 与板刃物工芸館は川野正さん(77)と、兄で6年前に亡くなった稔さんが、商店街の空き店舗を活用して開設し、数年後に現在の店舗に移った。合わせて20年以上にわたり、打刃物をPRしてきた。

 館内には2人が手がけたのみ、彫刻刀など600点に及ぶ製品が...

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