
トキエア新潟-仙台線が就航。仙台行き第1便に乗り込む利用客=2024年4月26日、新潟空港
航空会社トキエア(新潟市東区)が2024年4月26日に就航した新潟-仙台線が、1年を待たずに3月30日から運休することになった。新潟県の企業には仙台市に拠点を持つ事業所も多く、就航前は出張時などの利用が期待された。しかし、新潟-仙台は自動車など他の移動手段もあることから、利用は伸びず見込みが外れた格好だ。また、年末年始などに相次いだ欠航は観光利用でもネックになった。
新潟-仙台の移動は上越・東北新幹線を乗り継いで片道2時間半〜3時間半、高速バスでも4〜5時間かかる。トキエアのフライトは約50分と短く、同社も就航前のマーケティングでは高いビジネス需要を見込んでいたという。ただ、実際の利用とは「乖離(かいり)があった」(広報担当者)と明かす。
仙台市に営業拠点がある新潟市中央区の建設会社は頻繁に仙台への出張があるという。だが、広報担当者は「仙台は車でも3時間半で着く。仙台で営業先を回るために車が必要で空路では不便。出張でトキエアは選択肢になかった」と話す。

相次ぐ欠航が利用者に不安を抱かせた側面も否定できない。県内の旅行会社は2024年夏からトキエアを使って仙台へのツアーを複数回造成したが、予定の便が欠航したため帰りの行程を急きょバスに変更したことがあったという。企画担当者は「需要はあっても安定運航がないと利用しづらい」と語った。
航空・旅行アナリストで帝京大非常勤講師の鳥海高太朗さんは、新潟と仙台の距離の近さから「当初から需要が十分にあるとは思わなかった」とし、30%台という利用率を踏まえて...
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