佐渡市の天然記念物「法乗坊のエドヒガン」の原木(奥)の付近に植えられた苗木=3月12日、佐渡市羽茂大崎
佐渡市の天然記念物「法乗坊のエドヒガン」の原木(奥)の付近に植えられた苗木=3月12日、佐渡市羽茂大崎

 樹勢が衰えている新潟県佐渡市指定の天然記念物の桜「法乗坊(ほうじょうぼう)のエドヒガン」(羽茂大崎)の後継樹の苗木が3月12日、原木の近くに植栽された。貴重な林木の遺伝子を保存・活用する研究機関が、接ぎ木で増殖した。桜を守ってきた住民らは子孫の“帰郷”を喜び、末永く咲き続けるよう願った。

 古くから「種蒔(ま)き桜」と呼ばれており、開花は農作業の目安となり、地域で花見などをして親しまれてきた。樹高21メートルに達する巨木で、樹齢は推定300年ほど。日本海側ではあまり見られない品種であることから、旧羽茂町が1972年に天然記念物に指定した。

 ただ、樹勢の衰えは深刻で、2022年8月には15メート...

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