
子育て支援拠点数が日本一多く、2024年に「新潟県こども条例」が施行されるなど、子育て支援に熱心な新潟県。新潟県・東北電力・新潟日報社の3者が協力して取り組む「親子みらい図鑑」では、県内の子育てを応援するイベントを毎年開催しています。
今回は、絵本作家・市原淳さん、声優のかかずゆみさんをゲストに行われたイベントの様子をご紹介。お二人の言葉には、子育てを楽しむヒントが満載です。

イベントには、新潟県のゆるキャラ「きっぴー」と、東北電力マスコットキャラクターの「マカプゥ」が登場!
ゲスト

イラストレーター・絵本作家
市原 淳(じゅん) さん
愛知県出身。赤ちゃんが喜ぶ不思議な絵本「もいもい」のほか、マクドナルド、ハッピーセットの絵本『はいたつやさん』などを代表作とする人気絵本作家、イラストレーター。トークショーにも多数出演し、絵の描き方などの話や子どもを喜ばせるコツなどを講演。

声優 かかずゆみ さん
埼玉県出身。声優やレポーターとして活躍。2005年からドラえもん「源静香」の声を務めている。2人の息子を持つシングルマザー。2022年に初の著書である「しーしずかに」(絵:市原淳 金の星社)を出版。ベビーマッサージタッチケアセラピストの資格も持つ。特技は読み聞かせ。
司会

BSN新潟放送アナウンサー
工藤 淳之介 さん
長岡市生まれ。2014年から新潟放送。BSNテレビの情報番組「土曜ランチTVなじラテ。」(土曜昼12時10分~)やBSNラジオ「イケメン四銃士のそれいけ!アナウンサー」(木曜夜9時半~)などを担当。1児(女の子)の父で2024年5~8月は4カ月間の育休を取得し毎日インスタグラムで育休日記を更新していた。
子育て経験から生まれた
『しーしずかに』
子どもをあやす時、寝かしつけの時…皆さんはどんな風に子どもと触れ合っていますか。2025年2月23日(日・祝)に開催された「親子みらい図鑑」トークショーのテーマは、「家族みんなで、社会みんなで子育てを応援する」。子育てに奮闘しているパパ&ママや、孫育てに取り組むおじいちゃん&おばあちゃんがたくさん参加していました。
子育ての尽きない悩みに明るい光や楽しむヒントを与えてくれたのは、赤ちゃんが喜ぶ絵本『もいもい』(Discover21)の作者である絵本作家の市原淳さんと、声優やレポーターとして活躍するかかずゆみさん。そして、自身も子育て真っ最中というBSN新潟放送アナウンサー工藤淳之介さんです。

トークショーの最初にスクリーンに映し出されたのは、市原淳さんがイラストを手がけた「むずかしい しりとりタオル」。大人でも難しいしりとりに、子どもたちは大はしゃぎ!
最初の話題は、市原さんとかかずさんの共作でできあがった絵本『しーしずかに』の制作秘話について。声優であるかかずさんがなぜ絵本を作ることになったのかが気になります。「私の子どもたちはもう大学生と高校生になってしまいましたが、まだ小さかった頃に声優の先輩が行う読み聞かせ会に参加したことがあって。そこで私は号泣してしまったんです。疲れていたんでしょうね。読み聞かせの力、絵本の力ってすごいなぁと実感して。そこから、ベビーマッサージを学んだり、絵本の読み聞かせをしたりするようになりました。そしていつしか自分でも、子どもとの触れ合いを取り入れた絵本を作ってみたいと思うようになったんです」

「絵本は、読み手に渡れば表現の仕方に決まりはありません!」 かかずゆみさん
楽しみいろいろ
絵本賢者お薦めの絵本
お子さんが4歳と1歳の時に夫を病で亡くした経験を持つかかずさん。子育てを一人で頑張らなければいけなくなった時、それまで夫婦で子育てに取り組んできた楽しい思い出が心の支えになったといいます。「『しーしずかに』は、子どもとのスキンシップはもちろん、語感とリズムと感覚を楽しめる一冊です。例えば、ひゅるる〜んという風の音は読みながら体もなでてみてください。親子で楽しい思い出をたくさん作ることが、人生を強く生きる糧にもなるはずです」
それぞれのお薦めの絵本も教えていただきました。かかずさんが育児中にたくさん読んだという絵本が、『これはすいへいせん』(金の星社)です。文章がどんどん積み上げられていく言葉遊び絵本で、お子さんが小学校高学年になる頃まで一気読み対決をして過ごしたといいます。また市原さんの一押し、虫語でつづられた『なずず このっぺ?』(フレーベル館)や、工藤アナが「わが家の朝の定番!」と教えてくれた『とんとんとん!だれかな?』(岩崎書店)など、絵本に触れる機会が多い3人のお薦めは気になるものばかりでした。

「自分の思い出をたどりながら、毎日娘に絵本を読んでいます」 工藤淳之介さん
赤ちゃん研究のたまもの
絵本『もいもい』
トークショーでは、2024年に4カ月間の育児休暇を取得した工藤アナの子育て体験談にも触れられました。「特に大変だったのが、一緒にいる時間が長い午後。子育ては楽しさがある反面、難しさや苦しさもしっかりあります。だからこそ、周りのサポートが必要ですね」
工藤アナが子どもと遊ぶ中で大活躍したのが、市原さんが作画された『もいもい』。東京大学赤ちゃんラボとの共同研究によって誕生した、赤ちゃんが釘付けになる絵本です。「研究は、いろんな絵本作家や画家の方が『もいもい』を描くことから始まりました。それを赤ちゃんに見せて、興味を示した絵を比較しています。その結果、一番に選ばれたのが僕の『もいもい』でした。親子にもカップルにも見えますが、抽象画として2体を描いています」。現在、新作の制作が進行中ということで、今後の展開にも注目です。

「絵本と一緒に、親子の触れ合いを楽しみましょう」 市原淳さん
子育ては周囲に頼るべき!
甘えたっていいんだよ
最後に子育て中の全ての人に向け、ゲストのお二人からメッセージが送られました。「無理をしてしまうこともあると思いますが、時には手を抜いてもいいと思う。自分にストレスがかからないように子育てしていただけるのが一番です。絵本を利用しながら、親子で楽しく過ごしてください」と市原さん。かかずさんも、「堅苦しく考えすぎず、型にはまった子育てではなくて、家族の楽しい時間を大事に過ごしてほしい」と続けます。「一人で頑張りすぎず、行政や支援施設など周囲にいっぱい甘えましょう。お子さんをいろんなところに連れていって、温かい経験で心を満たしてあげてください。家族で過ごした楽しい思い出は、体のどこかでずっと覚えていると思います」。かかずさんの言葉が子育てへの勇気を与えてくれました。
市原さん、かかずさん、工藤アナによる
絵本読み聞かせ

トークショーに続いて、ゲストのお二人と工藤アナによる豪華読み聞かせタイム。市原さんとかかずさんのコラボレーションで完成した『しーしずかに』の他、市原さんの代表作『もいもい』などの全5冊を堪能しました。声の抑揚や身振りを交えることで、触れ合いを楽しめるのも絵本読み聞かせの魅力です。大人も子どもも聞き入ってしまうほど、豊かな時間が流れていました。

参加者の声
- 初めて子育てイベントに参加しました。かかずさんが教えてくれた「声の力」は仕事(教育)の現場でも役立ちそうです。
ー新潟市西区在住(20代)R.Oさん、(30代)K.Oさんご夫婦 - 絵本の読み聞かせをする時、日常的に声色を変えてみようと思いました。ゲストのお薦めの絵本も探してみたいです。
ー新潟市中央区在住(40代)A.Uさん - ゲームばかりしている孫に本の魅力を伝えるきっかけになりそうです。夏には5人目の孫が生まれるので今から楽しみです。
ー五泉市在住(70代)M.Tさん - 普段は動画ばかり見せていましたが、絵本をもっと読んであげたくなりました。今しかない幼少期を大事にしたいです。
ー新潟市中央区在住(40代)H.Iさん
こども・子育て世代応援の取り組みご紹介
新潟県 こむすび定期事業
新潟県では独自の子育て支援策として、県内の金融機関と連携しながら、令和5年4月以降に生まれた全てのお子さんを対象に、出生時に定期預金をお渡しし、保育園等の入園時と小学校の入学時の節目において、それぞれ5万円を受け取ることができる支援制度を行っています。
金融機関による「+α」の支援として、金利の上乗せや子育てグッズプレゼントなどもあり、官民挙げて社会全体で子どもの誕生をお祝いし、子育てを応援する気運の醸成につなげていきます。

詳しくはこちらから
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kodomokatei/komusubiteiki-plus.html
東北電力にいがた
次世代支援プロジェクト「放課後ひろば」
東北電力は、次世代支援プロジェクト「放課後ひろば」のもと、地域の未来を担う子どもたちの個性や才能をのびのびと伸ばすことができる環境づくりに取り組んでいます。
取り組みの一環として、ミニバスケットボール大会やフットサル大会への支援を行っている他、音楽の楽しさや素晴らしさを実感していただきたいという想いから「東北電力にいがた×新潟日報スクールコンサート」を開催しています。

詳しくはこちらから https://www.tohoku-epco.co.jp/kids/after_school/
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