
マッコウクジラの骨を洗浄する関係者=上越市下門前
上越市柿崎区の柿崎中央海水浴場に漂着したマッコウクジラの骨が、同市下門前の上越科学館で展示されることになった。同館では展示に向け、骨を運び込み洗浄作業をしており、早ければ夏休み中の公開を目指している。永井克行館長(67)は「これほど大きなマッコウクジラの実物の骨はめったに見られない。展示されたら、ぜひ見に来てほしい」と話している。
マッコウクジラの骨は2月、柿崎中央海水浴場に漂着しているのを市民が発見した。専門家の調査の結果、体長10メートル以上の雄の成体の骨と推定。マッコウクジラが日本海側で目撃された例は少なく、骨が海岸に漂着するケースは珍しいという。県上越地域振興局が処分する予定だったが、貴重な骨を多くの人に見てもらおうと上越科学館が引き取ることにした。
展示するのは後頭骨と肋骨(ろっこつ)、胸骨、下顎骨。中でも後頭骨は直径約2メートルで、重さ約300キロと推定。下顎も長さ約4メートルに上る。このほか、柏崎市の米山海水浴場で見つかり、同一個体と思われる尾びれの骨も展示する予定という。

4月下旬に、柿崎中央海水浴場で骨をクレーンでトラックに積み込み、上越科学館へ運んだ。漂着時の調査を行った専門家や、マリンピア日本海(新潟市中央区)のスタッフらが高圧洗浄機で汚れや砂を洗い流したり、ブラシで磨いたりした。
展示をするには骨から出る脂や臭いを抜く必要があり、数カ月かかる見込み。永井館長は...
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