「ろうそく能」で演じられた熊坂の一場面=21日、佐渡市泉
「ろうそく能」で演じられた熊坂の一場面=21日、佐渡市泉

 佐渡に配流された能の大成者、世阿弥をしのぶ「ろうそく能」が21日、佐渡市泉の正法寺本堂で開かれた。島内外の約200人の愛好家らが、ろうそくの明かりに浮かぶ幽玄な世界に浸った。

 世阿弥は晩年の1434年に配流後、正法寺に滞在したと伝えられている。佐渡の能文化を発信しようと、市民グループ「佐渡の能を識(し)る会」と実行委員会が毎年開き、20回目を迎えた。

 今回の演目は「熊坂(くまさか)」。大盗賊の霊が旅僧の前に現れ、牛若丸に討たれた無念を語る筋書きだ。シテ(主役)の霊を演じたのは、観世流能楽師で、重要無形文化財総合指定保持者の松木千俊(ちとし)さん。長刀(なぎなた)さばきや跳躍を披露し、牛若丸と...

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