店頭に立つ伊藤雅光さん。金鉱石を土産品として商品化した=佐渡市相川小六町の「いとう酒店」
店頭に立つ伊藤雅光さん。金鉱石を土産品として商品化した=佐渡市相川小六町の「いとう酒店」

 佐渡市相川小六町の「いとう酒店」が、かつて島内で採れた金鉱石を販売している。店で保管していた大量の金鉱石を「持ち帰る世界遺産」と名付けて商品化。店主の伊藤雅光さん(77)は「鉱山で栄えた歴史を、少しでも感じてもらえればうれしい」と話す。

 雅光さんの祖父、伊藤三蔵さんは、金山を操業していた三菱鉱業(現三菱マテリアル)を1934年に退職後、金山のシンボル、道遊の割戸の麓で茶屋を開業した。鉱山従業員らの休憩所、土産物店として親しまれていたという。

 雅光さんによると、当時、鉱山従業員らは金山から海岸へ流れ着いた金鉱石を拾い、酒代の代わりとして三蔵さんに渡していた。

 商品化は雅光さんが前々から温めてき...

残り393文字(全文:693文字)