
自身初の歌集「僧侶日日」を出版した橘芳圀さん。カバーの黒色は僧侶の衣をイメージしている=田上町田上
田上町の歌人、橘芳圀さん(79)が、自身初の歌集となる「僧侶日日(にちにち)」を出版した。歌集には1971年から2000年までに詠んだ510首を収録。僧侶と高校教師の二足のわらじを履く日々で目にした風景や、心の動きをつづった作品が並ぶ。
橘さんは魚沼市出身の歌人宮柊二が主宰したコスモス短歌会の県連合支部代表を務めている。短歌会では10年にわたって選者をしていたほか、現在は県内各地の歌会などで講演を行う。
橘さんは20代で歌を始めた。〈おほかたは食器工場の徒弟なる子ら油手に期末試験受く〉。歌集の一首目は、歌を始めるきっかけとなった作品だ。初任校の夜間定時制高校に勤めていたときに教え子を交通事故...
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