
民具「カグマ」で原油を採取した黒川燃水祭=胎内市下館
古式にのっとって原油を採取する「黒川燃水祭」が、胎内市下館の黒川石油公園で行われた。地元保存会のメンバーが植物で作った民具で黒い原油を採取する様子を、小学生ら約120人が見守った。
日本書紀には、668年に黒川地区を含めた「越の国」から天然アスファルトや原油を天智天皇に献上したとされる記録が残る。燃水祭は、地元の「越の国黒川臭水遺跡保存会」が後世に伝えようと、1983年から取り組んでおり、採取した原油は天智天皇を祭る大津市の近江神宮に献上している。
儀式は、原油が湧く池の周りで1日に行われた。保存会のメンバーが、リョウメンシダを乾燥させて作った「カグマ」と呼ばれる民具を池に入れ、葉に付いた黒...
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