1995年7月11日から12日にかけ、梅雨前線の停滞による集中豪雨が上越地域を襲い、上越、糸魚川、妙高市で4000戸以上が浸水した「7・11水害」から30年の節目を迎えた。関川と姫川の流域で堤防の決壊が相次ぎ、建物の流失など甚大な被害が発生。河川改修が進み、防災への意識は高まったが、当時を知る人たちが減り、教訓をどう受け継ぐか。濁流を乗り越え、防災力の強化を目指す地域の取り組みを追った。(3回続きの1)

【関連記事】
濁流の恐怖忘れられない…流されたプール、宙づりの線路、国道寸断

 「何かが起きる」と感じさせる雨脚だった。JR大糸線の平岩駅に近い糸魚川市山之坊の戸沢和重さん(73)は30年前のあの日、...

残り1214文字(全文:1515文字)