越後の北方の拠点として栄え、現在は城跡となっている「村上城」(村上市)が3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)でよみがえりました。堂々とした天守や城門、堅牢な石垣、長大な城壁…。緻密に作り込まれたVR(仮想現実)空間に、インターネットで誰でも無料で入ることができます。制作したのは村上市出身のクリエーター。20年余りにわたってコツコツと更新し、壮大な世界を作り上げました。仮想であっても、リアリティーたっぷりの村上城を探検してみませんか?
<村上城>築城年代は不明だが、16世紀前半には存在していたと考えられる。戦国時代は本庄氏の本拠地で、上杉謙信とのろう城戦などが繰り広げられた。その後、城主は村上氏、堀氏、松平氏らに代わり、城の改造や城下町の整備が行われた。天守は1667年に落雷で焼失、門ややぐらなども火災や明治初期の払い下げなどで失われた。現在は石垣などが残る。国指定史跡。(村上市役所のウェブサイトより)
制作したのは村上市出身で、教育関連の会社に勤める渡邊直人さん(48)=千葉県在住=。渡邊さんは2003年にウェブサイト「ビジュアル再現 村上城」を立ち上げ、村上城の歴史や遺構を紹介してきました。村上城の3DCGのVRプログラムはサイトのコンテンツの一つです。

ページのトップにある動画を見てください。この舞台は江戸時代の村上城です。忍者のキャラクターが城門を駆け抜け、本丸の天守へ向かいます。城壁に点在する窓や複雑な形の屋根、門の金具まで細かく表現され、空や草木、光の当たり具合がリアリティーを演出します。...
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