【芸能人契約指針】業界の意識改革なるか

　芸能人の移籍や独立を巡るトラブルが相次ぐ中、公正取引委員会が適正な契約の指針を示した。明確な基準ができたことへの歓迎や期待の一方、経営面での不安の声も上がる。独自のルールがはびこってきた業界の意識を変え、トラブルをなくすことはできるのか。

　▽多額の金銭要求も

　「事務所に退所の意向を伝えたら『もし辞めたらつぶすぞ。実質引退になる』と脅された」「数千万円の支払いを要求された」

　公取委が昨年１２月に公表した、芸能活動に従事する人や事務所を対象に実施した調査では、多くのトラブルの事例が挙げられた。以前所属していた事務所からの妨害で、テレビ局に「『女性関係にだらしなく起用しない方がいい』と言われていた...