米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」で演説するトランプ米大統領(右)と高市早苗首相=2025年10月28日、神奈川県横須賀市
 米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」で演説するトランプ米大統領(右)と高市早苗首相=2025年10月28日、神奈川県横須賀市
 日米首脳会談について解説する帝京大の山口航准教授
 1983年1月、第1回首脳会談を終え、ホワイトハウスを後にする中曽根康弘首相(左、当時)と、見送るレーガン大統領(当時)。「ロン・ヤス」関係を築いていくスタートとなった
 1969年11月、米ホワイトハウスで会談する佐藤栄作首相(左、当時)とニクソン大統領(当時)
 2019年5月、千葉県茂原市のゴルフ場でトランプ米大統領(左)とラウンドする安倍晋三首相(当時)の自身のツイッターに投稿された写真

 高市早苗首相が10月下旬、トランプ米大統領と初会談した。「首脳会談に失敗なし」と言われるように、日米首脳会談は外交当局により周到に準備される。その役割は実質的な討議の場から、より象徴的な舞台に変わりつつある。会談は今後も「成功」し続けるのか。日米首脳会談の歴史に詳しい帝京大の山口航准教授(40)に聞いた。(共同通信=山上高弘)

▽信頼構築・交渉の場

 首脳会談には本来、信頼構築や交渉の場としての「実質的機能」があります。今日においては官僚レベルですでに議題解決に向けた調整が終わっている場合が多いのですが、それでも世界の注目が集まる中で、首脳同士が直接約束を交わすことは相手への着実な履行を促すなど...

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