
韓国・釜山の金海国際空港に到着し、出迎えを受ける石破首相。右は妻の佳子さん=9月30日(共同)
石破茂首相は在任中最後の外遊先となる韓国を訪問した。昨年10月1日の就任以降、アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想や日米地位協定改定など、関係各国とあつれきを生む持論を封印し、関係安定を優先させた。戦後80年の節目にアジア諸国への配慮も示してきた。日米関税交渉や北朝鮮による日本人拉致問題といった懸案は次期政権に引き継がれる。
▽重責
「外交の締めくくりを李在明大統領との会談で終えられる意義深さをしみじみと感じる」。首相は30日、韓国・釜山で李氏と会談し、この1年間の外交に思いをはせた。91カ国・4国際機関の首脳らと延べ167回の会談を重ねてきた。
当初は国際会議で首脳と座ったまま握手する...
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