合併建設計画に事業が盛り込まれたJR巻駅の周辺整備。合併から20年たち、実施に向けて動き出した=新潟市西蒲区
合併建設計画に事業が盛り込まれたJR巻駅の周辺整備。合併から20年たち、実施に向けて動き出した=新潟市西蒲区

 新潟市の現在の市域が確定し「平成の大合併」の締めくくりとなった旧巻町の編入から、10日で20年を迎えた。旧市町村との「約束」にあたる合併建設計画は計画期間の10年間で8割以上が完了。一部事業は今なお途上にあり、2024年度末現在で92%が完了した。一方、加速する人口減少を背景に、膨らんだ公共施設の整理、将来負担の見通しが課題となっている。(報道部・関宏一)

 2005年10月10日に新潟市と合併した旧巻町。中心部にあるJR巻駅は通勤、通学の利用が多い。市は今年1月、巻駅周辺整備に関する基本協定をJR東日本新潟支社と締結した。合併建設計画に盛り込まれながらも未完了だった事業は、合併から20年たち、実施に向けて大きく前進した。

 巻駅前は送迎車が集中する時間帯に、道路渋滞が発生。改札が西側にしかないため、踏切を渡る必要もある。整備計画では、一般車の送迎エリアや短時間停車場(20台分)を確保。東側にも改札を造り、東西を結ぶ連絡通路を新設する。

 巻地区コミュニティ協議会の五十嵐光一会長は、今後予定される区役所建て替えも含め「街をこれだけいじるのは初めてではないか。この動きに合わせ、まちづくりのためにやるべきことを考えたい」と話す。新規出店などの波及効果も願う。

 とはいえ、完成は31年度の予定。合併から実に26年後になる。市内ではすでに新駅が誕生し、改修された駅舎もあった。地元では「巻駅は先送りになっていたようだ」との声も漏れる。

▽合併促す「アメ」の側面も

 合併建設計画は...

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