修理見学会で板打ちを実演する松田秀一さん(中央)と息子の和也さん(左)=佐渡市秋津
修理見学会で板打ちを実演する松田秀一さん(中央)と息子の和也さん(左)=佐渡市秋津

 能登半島地震で損壊した国の重要有形民俗文化財「北佐渡の漁労(ぎょろう)用具」の木造漁船の修理が両津郷土博物館(佐渡市秋津)で行われている。手がけるのは松田造船(両津夷)の船大工、松田秀一さん(78)、和也さん(40)親子。繊維強化プラスチック(FRP)船が主流となった現在、木造和船の修理技術を持つのは、島内で秀一さん一人。和也さんに技術を伝えながら作業を進めている。

 今回修理している漁船は「サンパ」と呼ばれる、全長約15メートル、重さ約12トンの大型木造和船。かつては丸内定置網組合が所有し、主に和木地区でブリの定置網漁の網上げなどに使われた。...

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