
次男の楽を抱きかかえ、刈り取った稲を稲架に掛ける諸岡江美子。夫の龍也、長男の遊の家族4人で作業した=2025年10月、新潟県妙高市(撮影・林昌三)
新潟県妙高市の山奥で、どっしりと構える築約150年の古民家。諸岡江美子(もろおか・えみこ)(37)に長男の遊(ゆう)(5)が駆け寄り、Tシャツを握りしめる。右腕に次男の楽(らく)(1)を抱えたまま、遊に差し出されたお菓子をほおばり「おいしいね」とほほ笑んだ。
▽虫の鳴き声
千葉県船橋市で生まれ、短大卒業後、東京都内の保育園で働いた。園で「問題行動」を起こすと思われていた子どもが公園で生き生きと遊ぶ姿を見て、自然の中で保育をしたいと考えるようになった。
退職し、野外教育を学べる妙高市のアウトドアの専門学校に入学。新潟の風土に引かれ、卒業後は保育の現場に戻らず、津南町で地域おこし協力隊に加わり、...
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