横山真弓・兵庫県立大教授
 横山真弓・兵庫県立大教授

 未曽有のクマ災害が北海道・東北地方を襲っている。連日のクマ対応は、自治体職員や捕獲従事者の体力と精神力を極限状態に追い込んだ。これに対し、自衛隊と警察の銃器対策部隊が出動できたことは、大きな助けとなっただろう。政府からはクマ被害対策パッケージが公表され、被害防除の強化が期待される。

 ただし、自衛隊や警察の戦力はあくまでも緊急的なものだ。短期から中長期までのクマ対策の財政的な支援も示され期待は大きいが、これらを推進する人材が圧倒的に不足している現実もある。

 今こそ、中山間地域に適切な人材を配置しなければ、これらの政策も生かされない。そのための重要なポイントは、若者世代が魅力を感じる新たな職種の...

残り1093文字(全文:1393文字)