ろう者の学生と手話で議論する国立情報学研究所の坊農真弓准教授(右)=東京都内
 ろう者の学生と手話で議論する国立情報学研究所の坊農真弓准教授(右)=東京都内
 AIに学習させる手話データを集めるため、ろう者によるやりとりを撮影する様子(国立情報学研究所の坊農真弓准教授提供)
 国立情報学研究所の坊農真弓准教授

 近年身近になった「チャットGPT」などの対話型生成人工知能(AI)の利用は文字によるやりとりが基本だ。しかし、日常的に手話でコミュニケーションを取るろう者にとっては、最も意思を伝えやすい手段が使えないというハードルがある。そうしたAI利用への「文字の壁」を、手話を認識して翻訳するAI技術で越えようとする研究開発が進んでいる。

 ▽外国語に近い

 生成AIは指示や質問を入力すると、文章を作ったり新しいアイデアを提案したりできる。2022年に米オープンAIがチャットGPTを公開して以降、米グーグルの「ジェミニ」など複数のサービスが登場した。

 「大規模言語モデル」と呼ばれる仕組みが基盤で、指示や質問の...

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