
中国内モンゴル自治区包頭市内に掲げられた「世界のレアアースの都」の標語=7月(共同)
中国北部にある草原の小都市が世界のサプライチェーン(供給網)を揺らしている。内モンゴル自治区包頭には、世界最大の鉱山から高性能磁石の生産までレアアース(希土類)の関連産業が集積する。
レアアースは、「産業のビタミン」と呼ばれ、家電や自動車、最新鋭の戦闘機まで幅広い工業製品に欠かせない原材料だ。米国のトランプ政権が仕掛けた関税合戦への報復として、中国がレアアース輸出を規制すると、世界中の産業がパニックに陥り、貿易摩擦の攻守は一気に逆転した。
中国が一歩も引かない強気を貫いた背後には、40年以上かけて「伝家の宝刀」を磨き続けた長期戦略がある。その剣先は外交関係が悪化する日本へ向けられる恐れも出て...
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