選手やサポーターには悪夢の1年だった。勝てなかった原因を徹底的に検証し、チームを抜本的に立て直さねばならない。新体制を早急に構築し、早期のJI復帰を果たしてもらいたい。
サッカーJ1のアルビレックス新潟は今季、4勝12分け22敗、勝ち点24で終え、クラブ初の最下位となった。来シーズンはJ2リーグに降格する。2度目のJ1はわずか3年で幕を下ろした。
4試合という勝ち数は、アルビがJリーグに参入した1999年以降、最少だ。6月に監督が交代してからは一度も勝てず、19試合連続未勝利となるクラブワーストを更新した。
ふがいない結果となり、残念でならない。
開幕から結果が出ず、監督を交代し、大幅に選手を入れ替えたが、そのために戦い方が定まらない悪循環に陥った。
平均得点は0・9点と1点を下回った。平均失点は1・8点でリーグワーストだった。従来のボールを保持するスタイルも陰りが見え、ボール支配率、パス成功率ともやや下がった。
今季露見した弱点を克服し、来季に臨まねばならない。
来季は社長にクラブOBの野澤洋輔取締役営業本部長が、監督には同じくOBでU-20(20歳以下)の日本代表監督を務めた船越優蔵氏が、それぞれ就任する。
船越氏は9日に記者会見し「相手より多く走る。目の前の一戦に全てを懸ける」などと抱負を語った。育成年代の指導に長く携わり、国内外に多くの選手を送り出した手腕が注目される。
急がれるのは、新たな選手編成だ。DF堀米悠斗主将ら長年アルビに在籍した選手が退団する。どんな選手を補強し、どういったチームにするのか、早急に示すことが欠かせない。
強いチームをつくるための投資も惜しんではならない。
ただ、J2降格で収入の確保が大きな課題となるだろう。
J1では浦和やFC東京など関東圏から多くの観客を呼び込めたが、J2ではアウェー客の減少が予想される。前回のJ2時より大幅に増えた協賛社数を来季以降も維持したい。
心強いのはサポーターの支えだ。今季のホーム戦の平均入場者数は2万2601人で、昨年に比べ171人増加した。勝てない試合にも多くの人が声援を送った。
来季はサポーターの期待に応える戦いで、白星を重ねたい。
