
長崎市の平和公園で行われた核兵器廃絶を求める集会で、シュプレヒコールを上げる被爆者ら=9日
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞から1年がたった。2025年は被爆80年の節目。昨年の受賞は被爆者自身が新たな活動を模索するきっかけになった。だが、被団協が求め続けてきた核廃絶への道は遠く、原爆被害への国家補償も実現していない。識者は「被爆者の訴えを社会で共有し、次の被害を防ぐべきだ」と話す。
▽転機
11月21日、国会前。日本政府に核兵器禁止条約参加を求め「核兵器はいらない」とシュプレヒコールを上げる人々の中に、被団協事務局次長の浜中紀子さん(81)=埼玉県行田市=の姿があった。マイクを握り、高市早苗政権による非核三原則見直し検討に「大きな声で反対を」と訴えた。
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