
先進国か途上国かを問わず温室効果ガスの削減目標を掲げる「パリ協定」は、採択から10年を迎えた。国際連携による地球温暖化対策は一定の効果を上げてきたが、米国の協定離脱や、化石燃料からの脱却を巡る産油国の反発など足並みの乱れも表面化している。危機感を強めた国々が、枠組み外での活動を呼びかけるなど、新たな潮流も生まれている。
▽成果
「人類は初めて、温室ガス排出を減少に転じさせつつある」。11月にブラジルで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)で、スティール事務局長は協定の成果を強調した。
協定採択以前、世界の温室ガスの排出ペースは、今世紀末の世界の平均気温を産業革命前と比...
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