東京都新宿区で開かれた茶道教室=11月
 東京都新宿区で開かれた茶道教室=11月
 茶畑を紹介する首都圏アグリファームの水本達也代表=10月、埼玉県入間市
 首都圏アグリファームが製造した抹茶

 お茶の輸出が71年ぶりに1万トンの大台を突破した。背景にあるのが「抹茶ラテ」に代表される抹茶の飲料やデザートの世界的なブームだ。だが、売れ過ぎて原材料の碾茶が深刻な品薄となり、価格も高騰。しわ寄せが及んだ茶道教室からは悲鳴が上がる。農林水産省は増産を促しているが、高齢化や後継者不足から離農が進んでいてハードルは高い。

 ▽入手困難

 「空の茶わんで茶せんを回すだけになってしまうかも」。東京や埼玉で茶道教室を開く50代の女性は自嘲気味に話す。2025年の夏は愛用していた京都の老舗茶商の抹茶が入手困難になり、他店の製品に切り替えた。

 茶道人口は、ただでさえ少子高齢化で減っており、生徒の負担増は避けた...

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