ヘラルボニーの銀座店=東京都中央区
 ヘラルボニーの銀座店=東京都中央区
 農林水産省が開いたイベントで来場者が「フェアな価格」を入力したタブレット端末=東京都千代田区
 ヘラルボニーの店舗に並んだ商品=盛岡市
 FABRIC TOKYOが取引している石川県かほく市の生地メーカーの作業風景
 FABRIC TOKYOが11月のキャンペーンで販売したスーツ
 店舗に陳列したスカーフを広げるヘラルボニーの社員=盛岡市
 取材に応じるFABRIC TOKYOの土山純史さん=東京都渋谷区

 小売り各社が毎年11月下旬に大規模なセールを展開する米国発祥の「ブラックフライデー」は日本でも定着しつつある。この時期に一部のアパレルメーカーは値下げではなく、商品の本質的価値や背景に目を向けてもらう企画を打ち出した。価格だけが購入の決め手になりがちな風潮に一石を投じる動きと言える。(共同通信=浜谷栄彦記者)

 ▽作り手に光

 オーダースーツを手がけるFABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ、東京)は2025年11月下旬、商品の作り手を紹介する特設サイトを用意し、買い手が値段を決めるキャンペーンを実施した。

 生地の生産や縫製は新潟、石川、福井3県の取引先企業が担っている。北陸地方では繊維...

残り681文字(全文:981文字)