
欧州中央銀行の本部=2024年9月、ドイツ・フランクフルト(共同)
欧州中央銀行(ECB)が、キャッシュレス決済に対応した中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行準備を本格化させている。法整備が整えば2029年にも発行する計画だ。決済インフラを握る米企業への依存から脱却し、通貨主権の確保を狙う。だが世界的に導入の動きは低調で、必要性には疑問の声もある。
▽新段階
「中銀の発行する通貨は、デジタルの形態を持たねばならない。紙幣を望まない人がいる時代が来るからだ」。ラガルドECB総裁は10月下旬、イタリア・フィレンツェでの記者会見で、CBDCの意義を強調した。
CBDCは中銀が価値を保証。スマートフォンのアプリを用い、誰でも現金と同じように使えることが期待されてい...
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